
老人ホームの入居金・メリットとデメリット
- ①金額
- ②立地条件
- ③受け入れの可否を決定づける身体状況
- 今回は、金額についてお話ししたいと思います。
- どなたにとっても大切なお金。有料老人ホームに入居するにはまず、入居時に必要となる前払金(「入居金」「入居一時金」各施設、呼び方はさまざまですが、ここでは総称して、前払金とします。)を払う施設、若しくは、前払金がなく、月額利用料を支払うのみのところかを検討することが必要になります。
- 前払金方式の場合、いくらに設定するか?前払金のないところの場合、月額利用料をいくらで設定するかですが、予算は個々に違うものです。
- 前払金無しのプランで有料老人ホームを探したい場合
- 月額利用料のみを考えれば問題ないのですが、人によっては前払金を払わないことで、得をする可能性と損をする可能性があります。
- なぜかというと、お察しの通り、何歳まで生きるか?誰もわかりません。
- 同じ前払金無しの施設に入居するにしても、5年生活するか、20年生活するかを計算してみます。
- 例えば年金が1か月あたり15万円程度の方が、月額利用料20万円の施設に入居するとします。この月額利用料の他にかかる費用(こちらをご参照ください)も当然ありますので、月々の総支払額が約25万円前後になります。
- 年金額-総支払額=150,000-250,000ですから-100,000になります。
- これを、5年間入居し、毎月-100,000で継続すると、-100,000×5年(60か月)なので、600万円の蓄えを切り崩すことになります。
- 同じく、20年間入居した場合で計算すると、-100,000×20年(240か月)で、2,400万円の切り崩しが発生します。
- 蓄えを切り崩して、いつまで持つか。が焦点になってきます。
- 前払金有りのプランで有料老人ホームを探したい場合
- 先ほどとは違い、前払金を支払った場合を考察してみます。
- 前払金の概念は、各施設が、過去の入居者の入居実績から、入居者が入居してから、退去の手続き(契約の終了)までに、入居するであろう入居の日にちを計算して、その想定居住期間の家賃相当額を入居時に前受をするように設定しています。多くの場合は5年(60か月)で設定していることが多く、前払金はそのホームが設定した想定居住期間を超えて、且、そこでの生活を継続する場合も、追加の前払金が発生しないようになっています。(一部追加がある施設もあり)ので、この想定居住日数を用いて計算してみます。
- 先ほどの前払金無しのプラン(Aプランと仮定)で入居できる施設で、BプランCプランというプラン設定があったとします。
- Aプラン前払金 0円月額利用料200,000円(家賃100,000円管理費50,000円食費50,000円の内訳と仮定)
- Bプラン前払金240万円月額利用料160,000円(家賃60,000円管理費食費は同じ)家賃のうち40,000円を60か月分前払い
- Cプラン前払金600万円 月額利用料100,000円(家賃000,000円管理費食費は同じ)家賃のうち100,000円を60か月前払い
- Aプランは先ほど計算した通りなので、B・Cプランを計算してみます。
- Bプランの月の総支払額は160,000+50,000円(月額利用料の他にかかる費用)で約210,000になります。
- 150,000円(年金額)-210,000で-60,000になります。Aプランの入居数と同じで、5年間(60か月)の入居と想定してみると。60,000円×60か月の蓄えを切り崩すことになりますので、360万円の切り崩しが発生します。切り崩し額(240万円)と、前払金の額(360万円)を合計すると600万円で、5年間の総支払額はAプランとイコールになります。
- 次に、Bプランで20年間入居生活を過ごしたとすると、-60,000×20年(240か月)で、1,440万円の切り崩しが発生します。切り崩し額(1,440万円)と前払金(240万円)の合計は1,680万円なので、20年間生活した場合の切り崩し額は
- Aプランが2,400万円Bプランが1,680万円になり、720万円の差が出ます。
- 最後に、Cプランで計算してみます。
- Cプランの月の総支払額は100,000+50,000円(月額利用料の他にかかる費用)で約150,000になります。
- Cプランの場合は、前払金が600万円掛かりますが、年金で賄える金額なので、切り崩す心配はしなくて済みます。(結局5年の生活なら支払い額は変わりませんが)
- まとめ
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プラン 前払金 月額利用料 月額外料金 年金額 切崩し額 入居年数 切り崩し額+前払金額 A 0万円 20万円 5万円 15万円 10万円 5年の場合 600万円 0万円 20万円 5万円 15万円 10万円 20年の場合 2,400万円 B 240万円 16万円 5万円 15万円 6万円 5年の場合 600万円 240万円 16万円 5万円 15万円 6万円 20年の場合 1,680万円 C 600万円 10万円 5万円 15万円 0円 5年の場合 0 600万円 10万円 5万円 15万円 0円 20年の場合 0 - スマホサイト等、表が見づらい場合はこちらをご覧ください。
- 以上のように、長い年数になると、前払金方式の方がいいこともあります。
- 大切なお金。じっくりご検討ください。