入居者の声

突然レビー小体型認知症と言われても。。

離れて住む両親

義母が認知症になり、同居を開始したエピソード>>介護状態になる前の同居事例はこちら

私は夫と結婚し、東京都の足立区に家を建てて住んでいました。夫の母親は東京都の立川市に一人で住んでおり、同じ東京都でも距離は遠く、頻繁に会うことはありません。それでも、毎月1回は顔を出すよう心掛け、あまり疎遠にならないよう努めました。

私たちの息子・娘も連れていくと大変喜んでくれ、行くたびにオモチャを買ってもらったりしており、息子も娘も本当におじいちゃん・おばあちゃんに懐いていました。

義父の急逝とうつ病

そんな中、夫の父親が肺炎を重篤化させ、急逝しました。

義母も当時は、非常に落ち込んで、元気がなさそうな様子でした。心配で仕方ないので、尋ねる回数を増やし、最低でも1月に2回は訪ねるように心がけました。そんな甲斐もあってか、ちょうど義父が亡くなってから半年ほど経過したころ、徐々に元気を取り戻していきました。

独り暮らしもそれなりに慣れてきていた様子でしたが、それも束の間のことでした。

一人での生活は刺激もなく、料理を作ることも少なくなり、だんだんと、お惣菜を買ってくるような生活に移行していたようです。そいった生活で、痩せこけて、心なしか、笑顔も減ってしまった様な気がしていました。

義母は若い時にうつ病と診断されていましたので、うつ病がまた出てきていたのでしょうか。

レビー小体型認知症の宣告

夫の妹と協力をして、できるだけ、独りになる時間を少なくしようということになりましたが、数か月経ったある日の事です。

義妹から連絡が入り、鍋を空焚きし、焦がしていたそうです。びっくりしましたが、その時は深く考えませんでした。

ただ、また数日後に義妹から連絡が入り、真冬なのに窓を開けっぱなしで寝ていたそうで、それが原因か、体調を崩し、肺炎で入院までしました。義父も肺炎がきっかけで入院し、結果、この世を去る事になりましたので、私たち家族はみな心配で仕方ありません。

後日、不安を感じながら、訪ねると、私たちの娘の顔を見て、義妹の名前を呼びました。

訪問介護を頼んでいたので、近所にある介護事業所を訪ね、その話をしたところ、担当のケアマネさんから言われたのは、認知症の疑いがあるかもしれないとの事です。脳裏をよぎっていた事を改めてケアマネさんに言われ、後日、専門の病院に連れて行ったら、やはり認知症で、「レビー小体型認知症」との事でした。突然レビー小体型認知症と言われても、初めて聞いたフレーズでどんな認知症かもわかりません。調べてみると、アルツハイマー型認知症の次に多い症例のようです。そもそも、男性に起こることが多いらしいので、何故、女性である義母が?と、思いました。

 

・問いかけをしても、声に応じなくなることが増える。
・常識的な行動が出来なくなったり、取り乱したりすることが増える。
・譫妄・幻視等、見えるはずのないものが見えるようになる。
・聞こえるはずのない声が聞こえるようになる。
・アルツハイマーと同じように、判断力・注意力・気力の低下が見られる。
・短期記憶能力の低下を起こす。
・日時・場所等の区別がつかなくなる。

・表情のこわばり・手足の震えがある。

・筋肉の収縮により、歩行がおぼつかず、引きずるように歩いたり、転倒が増える。

・発声量の低下

夫と話し合い、同居介護を選択

レビー小体型認知症と診断され、今のまま、自宅で独り暮らしをしてもらう事で、もし、火事でおこしたら、義母だけではなく、ご近所様にも迷惑を掛けることにもなってしまいます。夫は、義母を自宅に呼ぶことを私に提案しました。正直、突然すぎて戸惑いはありましたが、息子・娘も喜んでいるし、その場の雰囲気で、納得し、同居を始めることになりました。

ただ、私たちの家は1階がリビングや浴室等で2階・3階が寝室・子供部屋といった作りです。

一緒に住み始め、レビー小体型認知症のパーキンソン症状によって、歩行が上手く行かない事を実感したり、不自由を感じていました。仕方ないので、近所の工務店に頼み、階段の昇降機をつけてもらいましたが、その際。階段についていた手すりが邪魔で撤去しなくてはならない事態に遭遇しました。

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下の子は3歳で、手すりを持ちながら階段の上り下りをさせていたので、子供も戸惑っていましたし、何より、心配性な私は、手に何か持ちながら階段を上り下りさせるのも危険で、気が気では無かったです。

その後、義母の介護をきっかけに、私がやっていたパートもほとんど出来なくなり、結局、辞めることになりました。

一緒に住めることを喜んでいた子供たちも、おばあちゃんの笑顔のない表情や、びっくりするような行動があったため、次第に近づかなくなってしまいました。まだ、説明をしても、しっかり理解できないので、複雑な気持ちです。

階段から転落

しばらくして、リビングで洗濯物を畳んでいると、上の方で大きな音がしたので、慌てて見に行きました。すると、義母が、階段の踊り場部分でしりもちをついて倒れこんでいます。

慌てて、検査をしに近所の総合病院へ連れていくと、幸い、打撲程度の怪我ですみました。

今、思うと、パーキンソン症状により、昇降機を使わなければいけない事や、そもそも、使い方が判らなくなってしまったのかもしれません。

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同居し、6か月で有料老人ホームを探すことに

たびたび、手を焼いていた私に、夫は有料老人ホームを探すよう提案しました。

私自身もそのほうが、みんなの為になると思い、夫の休みを使い、有料老人ホーム探しをすることになりました。

しかし、介護施設のことはほとんど無知でしたので、おばさんの有料老人ホーム探しを手伝った友人に話してみると、「ブライトシニアの住まいさがし」という雑誌を出している、介護施設の紹介専門会社を頼りに探したことを聞きました。

さっそく電話をし、施設探しを手伝ってもらい、自宅のある東京都足立区からも比較的行きやすい埼玉県越谷市にある介護付有料老人ホームに入居を決意しました。義母は、有料老人ホームに入居することを激しく抵抗したので、結果的には半ば無理矢理の様なかたちでの入居でしたが、何とか、有料老人ホームに入居してもらうことが出来ました。

入居後、息子・娘を連れていくと、い毎回ではないですが、体調がいい時は時折、優しい笑顔で子供たちに接していて、そこで初めて入居したことの意義を大きく実感しました。

今思うと、同居から半年で昇降機に使った費用は決して安い金額(150万円もしました)でないですが、義母・私たち・子供たちにとって、高い勉強料でしたが、代わりに安心感を得ることが出来ました。