入居者の声

病気と共に余儀なくされる生活環境の変化がこれからの重要課題

港区 Tさん(49歳)の体験談より
もちつもたれつの幸せな生活 父と妹2人と4人で暮らしています。父は母と一緒に飲食店を営んでいたのですが、母を20年前に病で亡くしてからは飲食店をたたみ、タクシー運転手として、長らく働いていました。しかし、数年前に心臓の病気を患ってしまい、運転中に倒れでもしたら大変ですので、仕事を辞めてもらいました。仕事を辞めてからしばらくの間は鬱ぎこんでいたのですが、昔の腕を生かして家族のご飯作りをお願いすると、やはり料理が好きなようで喜んで作ってくれるようになりました。さらに買い物や掃除などの家事も自らやってくれるようになりました。私は、某テレビ局のディレクターとして働いているので、時間も休みも不規則な生活ですし、妹たちもそれぞれに会社員として働いています。父が家事をやってくれることは、忙しい私たちにとってはありがたく、4人でとても仲良く暮らしていました。 病は突然襲ってくるもの… このまま平和な暮らしがずっと続いて行くものだと、父はもちろん、私たち姉妹の誰もが思っていました。しかし、ある日妹が仕事から帰ると、父が家で倒れていました。救急車で病院に運ばれ、一命は取り留めたものの、脳梗塞との診断です。回復はしても左半身の麻痺、視野障害、さらには痴呆を引き起こす可能性もあると医師からは言われました。数日後、父が目を覚ましました。左下半身に麻痺の症状が見られましたが、視覚障害や痴呆については、その段階では見られませんでした。しかし先生曰く、年齢も年齢なので、これから起こる可能性が高いので視野に入れておくようにとのことでした。また、父が運ばれた病院は急性期病院で、長期の入院はできないので、退院後の生活をどうするか病院のケアセンターで相談してくださいと言われました。 病院と施設、家族の協力。全ての連携が大切 父に脳梗塞の事と今後の可能性について正直に話をしました。すると父は泣き、少し考えさえて欲しいと言いました。翌日父に呼ばれ、妹ともに病室に行くと、「私は家にはもう帰らない。悪いが家事は自分たちでやってほしい。そして自分を施設に入れて欲しい」とはっきりと言いました。妹の一人は、まだそんなひどい状態ではないから、家でケアを頼めば良いと父に言ったのですが、「ひどくなって恥ずかしい姿を見せたくないし、もう何もできないから、一人で昼間家に居る事が辛い」と、施設を探して欲しいと懇願されました。父は一度決めたらとても頑固な性格ですし、昼間だれもいない状態で一人家に居てもらうのは不安です。結局、父の申し出を聞き入れ、施設の入居と言うことで話は決まりました。病院のケアセンターでその旨を伝え、施設が決まるまではしばらく入院をさせてほしいとお願いをしました。そして、そこに置かれていた『ブライトシニアの住まいさがし』という冊子に目が留まり、読んでみると、相談員の方が状況に応じて施設を紹介し、見学等の手配もしてくれると書いてあります。早速、そこに書いてある番号に電話をして相談をしてみると、相談員の方が話をとてもしっかりと聞いてくれました。そして、後日、病院との提携がしっかりしていて、ケアもしてくれる施設を数件紹介してくれました。妹と私、そして相談員の方にも同行してもらい、見学をして、家からとても近くにある施設に入居してもらう事に決めました。入居をして半年ほど経ちますが、家から近いので3日に1度は顔を見に行き、一緒に暮らしていた頃と変わらない環境に父も私たちもとても満足しています。