入居者の声

家族にとって何が幸せかを日頃から話合っておく

平塚市 Aさん(52歳)の体験談より
絵に描いたような仲の良い家族 私は両親の跡を継いで、自宅の隣で飲食店を営んでいます。妻と2人の子供、そして実父の5人で暮らしています。子供は年をとってから生まれたので、12歳と8歳になります。父は今年で82歳になります。母は病気の為に早くに他界し、その後も父は1人でお店を営んできたのですが、70歳になると私に代を譲り、友人や孫との時間を過ごしたいと隠居生活を選びました。父はとても温和な性格で、孫が悪さをしても怒らず優しく諭してくれるので、私も妻も父に子供の面倒を見てもらえるのはとても助かっていました。子供たちも、父がこっそり美味しいものを食べさせてくれたり、おもちゃを買ってくれたりするので、父が大好きで、とても仲の良い家族でした。店が休みの日には、5人で旅行の話や将来の話をしていました。父は、自分がもし年老いて介護が必要になった時は、遠慮せずに施設に入れてほしいとずっと言っていました。 とても温和な父の異変 そんな話はするものの、他人事とみんながみんな思っていました。そんな矢先、長男が泣きながらお店に入ってきました。お店には絶対来てはいけないと教えてあるので、ただ事ではありません。話を聞いてみると、父がファミリーレストランで突然店員に向かって怒り出し、帰りの道でもずっと子供たちに文句を言いながら帰ってきたと言うのです。お店を閉めてから父に話を聞くと、いつもの温和な父と何一つ変わりません。そこでしばらく様子を見ることにしました。すると確かに何かに文句を言うようなそぶりが日増しに増えてきました。父本人も、自分の様子がおかしいことが分かっているようで、それがまたイラ立たせているようでした。父を連れて病院で診てもらったところ、認知症の初期段階との診断でした。進行度合いは本人次第とのことですが、さすがにショックが隠せませんでした。 家族の幸せのための選択 こんな日の為に日頃から話し合いをしていたはずなのですが、いざ現実となるとどうして良いのか分からなくなるものです。お店の常連には父と懇意な方も多く、「また店に立てば進行なんてしないよ」「まさか施設に行かせたりはしないよな」と口を出してきます。父もまいっているようで、イライラすることが増え、子供は父に寄りつかなくなり家族の仲はギクシャクする一方でした。このままでは子供たちの心が病んでしまいそうなので、父と2人本音で話をすることにしました。父の本心が家にずっといたいと言うのであれば、それを叶えようと思っていました。話をする段になると父は『ブライトシニアの住まいさがし』という冊子を私に見せました。相談員の方が状況に応じて施設を紹介し、見学等の手配もしてくれると書いてあります。そして、父は施設に入居をすると力強く言い切りました。ただ自分では選べないので、ここに相談してみんなで決めて欲しいということでした。父の気持ちを汲んで、早速相談をしてみると、相談員の方が私と父の話をじっくりと聞いてくれました。そして後日、3軒ほど施設を紹介してくださり、見学の手配もしてくれました。見学には家族5人みんなで行き、満場一致で決まった施設にその後父は入居しました。家からも近いので、子供が休みの度に会いに行きたがります。そのためか父も悪化することなく、温和な様子が戻りつつさえあるようです。自宅での介護も真剣に考えましたが、やはりこの選択にして良かったと心から思っています。そして私と妻も、今から子供たちと自分たちの老後の話をするようになりました。