入居者の声

母の話す「独居老人」になる怖さ。認知症になる前に家探し

町田市Eさん(50歳)の体験談より
高齢と共に直面する老いと死の問題 私の両親は結婚してから50年以上の月日を共にしました。私と姉が大学進学のため家を離れてからは、2人だけの生活になりました。共働きだったため、お互いが定年退職するまでは何かと忙しく、子どもが巣立ってからも寂しさを感じる余裕などなかったと笑います。 退職後は、地域のボランティア活動に参加したり、趣味に時間を費やすなどし、それなりに楽しんでいたようです。 私は結婚後、居を構えた場所が実家から近かったことで、両親には子どもの面倒をよくみてもらいました。また、東京都外へ嫁いだ姉家族が休みに子ども達を連れて帰省した時には、皆で集合しワイワイ楽しんだものです。そんな生活が続いていましたが、母は2年前に長年連れ添った父を亡くしました。元々、元気で明るい性格から友人も多く、80歳代なっても変わりなく友人付き合いをしていました。しかし、父を亡くした寂しさは大きいようでいつも気に振る舞ってはいますが、一人暮らしになってからは、母の姿が急に小さくなったように見えます。 母は高齢ですが、認知症などもなく、今でも頭はしっかりしていて、生活で必要なことは一人でこなしています。いくら近くにいるとはいえ、何でもかんでも子の世話にはなりたくない、という意思があるようで、自分の身体が動くうちはできるだけ頑張りたいと言います。そうは言っても年齢と共に身体は衰えます。重い荷物を運べず、買い物に行くのも大変。切れた電球を換えられない。など、誰かの助けが必要なこともありますので、少なくとも週に1回は家族の誰かが様子を見に行くようにしていました。
先のことを考えた母の選択 様子を見に行ったある日、突然母が「話したいことがある」と言いました。話を聞くと、父が亡くなってから心細くなった、自分の年齢を考えても、このままの一人暮らしをずっと続けるには無理が出てくるだろうし、「独居老人」になるのが怖いとのことでした。その現実は、私たちも考えていたことです。いずれ介護が必要となり、一人暮らしはできなくなるだろう、その時は私たちが引き取り一緒に暮らすつもりで考えているという旨を伝えると、驚いたことに母は「その申し出はありがたいけれど、子供に迷惑をかけたくないから有料老人ホームに入りたいのよ」と言うのです。息子家族が近くにいるにも関わらず、わざわざ老人ホームに入ることもないだろう、と妻も交えて散々話し合ったのですが、母の施設に入りたいという気持ちは変わらないようでした。
施設選びの事は施設探しのプロに 結局、母の気持ちを尊重する方が良いだろうということで、近い将来に向けて老人ホーム探しを始めることにしました。普段は「できることは自分でする」という目標を掲げている母ですが、施設を探し出したら、「介護付有料老人ホーム」やら、「住宅型有料老人ホーム」やら、「サービス付き高齢者住宅」など様々な種類があり、どんな条件が自分に合うのかちっともわからない、と根を上げました。私たちが手伝おうと施設選びに関して調べてみたのですが、どうしたら良いものかと途方にくれるばかりでした。『ブライトシニアの住まいさがし』は地域包括支援センターの職員さんからいただきました。数ある施設の資料を眺めて頭を悩ますよりも、有料老人ホームの紹介を専門でする会社で施設探しのプロに相談した方が早いと思い、連絡することにしました。正直、相談員には何を相談して良いのかもわからないほど、私たちは施設選びについて知識がありませんでした。そんな無知な状態でしたが、対応してくれた相談員は施設についてわかりやすく丁寧に教えてくれ、母の気持ちや費用などから条件が合いそうな施設をいくつか提案してくれました。そのなかで、私の自宅近くの町田市の介護付有料老人ホームと横浜市の住宅型有料老人ホームを紹介会社の相談員さんに同行してもらい、見学に行くことになりました。母ば施設を見に行った際゙、そこの施設の入居者さんと意気投合したようで入居を早めることにしたそうです。私は少し戸惑いましたが、母が認知症になり、何もかもわからなくなる前に、入居先でお友達を探したい。という気持ちも理解できましたし、せっかく入居するなら自分で決めてほしい気持ちがあったので、明るい母の顔を見て、嬉しい気持ちにすらなりました。わからない時はいつでも聞いてください、と言ってくださる相談員にも大変感謝しています。