入居者の声

離れた土地で暮らす両親の施設選び 専門家と相談を

さいたま市 Aさん(56歳)の体験談より
遠方で暮らす両親の介護 私は両親と弟の4人家族で育ちました。高校卒業後、埼玉県の大学に進学し、そこで就職し結婚して30余年になります。弟も大学卒業後、他県で就職し、その土地で家庭を持ちました。私たち姉弟が家を出て以来、神奈川県の実家では、父と母が二人だけで生活していました。両親の退職後は、父は釣り、母はフラワーアレンジメントとそれぞれの趣味を楽しみ、時には趣味仲間と出かけたりして、ささやかながらも充実した日々を送ってきたのではないかと思います。そんな両親も80代を迎え、心身共に衰えが見え始めました。父の介護がいよいよ必要になってきたと実感したのは、1年程前でした。父は認知症を患い、母が付き添って在宅介護をするようになりました。私は1週間に2回、往復3時間近くかけて実家に通い、介護を手伝いました。弟も他県に住んでいますが比較的実家には近いため、頻繁に帰って両親の様子をみてくれました。しかし、弟は仕事が忙しいため帰宅が夜遅くなることもしばしば、休みも不規則です。義妹も両親の面倒をみてくれていましたが、やはり共働きということもあり、できる介護にも限度がありました。家族の協力は得ているものの、実際高齢の母への負担は大きくなるばかりです。いっそのこと、両親を私の近くに呼び寄せる方が良いだろうか、と悩んでいました。 住み慣れた土地を離れる問題 一方、認知症を患った父を知らない土地に呼び寄せる不安もありました。ある知り合いから、同じように親が認知症になったため、自分の住んでいる所へ呼び寄せたところ、環境の変化に混乱し「家に帰る」と突然出て行ったり、騒いだりすることが続き、親子共に疲れ果ててしまった、という話を聞いたからです。ですので、私の所へ呼び寄せて夫や子どもに気を遣い、慣れない環境に身を置くのが父にとって良いのかどうかも心配でした。かといって毎日ではないとはいえ、仕事が終わった足で両親の元へ向かい介護をする私の体力もいつまで持
つかわからず、また、余裕がなくなり介護破綻となっては元も子もありません。どういう方法がお互いにとって良いのかわからず、しばらくいろんな葛藤がありました。 介護の負担を減らす、という考え 何度か母と弟と話し合いを重ねた結果、やはり認知症の父を抱えて住み慣れた土地を離れるのは不安だと言うので、在宅介護ではないもののできるだけ家の近くの施設を探してはどうかという結論に達しました。しかし「親の面倒は子がみるもの」という昔からの考えが頭を離れず、最初は施設選びを始めても気が重いのが正直な気持ちでした。また自分達で取り寄せてみた資料にも、書いてある内容と介護に携わる方の思いが一致しているのだろうかと、疑問がありました。そんな時に『ブライトシニアの住まいさがし』を手にする機会があり、何気無くページをめくったところ、施設探しについて相談できる窓口があると知ったのです。施設についての不安や疑問を正直に相談してみたところ、相談員の方がじっくり話を聞いてくれました。そして、「子だから自分達だけで親の面倒をみなければいけない」という考え方だけに固執するのは、介護する側・される側の気持ちや状況によっては、必ずしも最良とはいえないこともわかりました。入居前に見学ができたのも、介護に携わるスタッフや施設の雰囲気がわかり、大変助かりました。なによりも栄養バランスの取れた食事や体調管理においては、在宅していた頃よりずっと安心できるようになりました。結果的に父にすぐに会いに行ける距離に施設が見つかり、母、弟共に喜んでいます。自分達に知識がない中での施設選びは大変です。相談することで、いろいろな考えや選択肢があることがわかります。もし迷われている方がいたら、一度相談してみることをぜひお勧めします。